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[C78] 偶然つうか必然つうか

自分も全く同じ感想を持ちましたよ!
  • 2008-10-09
  • やまけん
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  • 編集

[C79] やまけんさん、はじめまして。

コメントありがとうございます!
この作品は重いんだか軽いんだかよく分かりませんが、もの凄く心に残って離れない作品です。
  • 2008-10-17
  • kngwayof
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今夜、すべてのバーで / 中島らも

部屋に戻ると、昼食が届いていた。
白粥。梅干し。野菜と油揚げの煮もの。白身の何だか大きな魚の切り身。しょうゆで煮付けてある。
見ているうちに、おれの中でなんだかなつかしい感覚が頭をもたげてきた。
はて、この感じは何なのだろう。長い間忘れていた、この切ない感覚。
「これは、食欲だ」



これまで読んできた無数の小説のなかでも、どうにも忘れられない、何度か読み返してしまう作品というのが、ほんのいくつかあります。
その一つが、極度のアル中である主人公の入院生活とその山あり谷ありの顛末を描いたこの作品。

ほぼ作者の体験談エッセイではないか、と思ってしまうリアルなエピソードと細やかなディテイルの描写。どこまでもめくるめくようなアルコールの陶酔感と、『依存』というものの本質をえぐるような葛藤と怠惰。
僕はこの作品は硬質なハードボイルドだと思う。そして、良質で硬質なハーボイルド作品と同じく、この小説もその冷ややかで静かなトーンとは裏腹に、その内包する熱量は果てしないものがあると思う。

俯瞰してみればどうしようもなアル中の入院中のエッセイのような内容で、ほんとにくだらない話である。
ただ、重度のアルコール依存の人間のリアルな人生と葛藤と逡巡が克明に描かれているだけのストーリー。だのに、それがめちゃくちゃ面白く、心を揺さぶる力がある。

このあいだ、久しぶりに読み返してみて、改めてその面白さにびっくりした。
さくさくと楽しく読めて、確実にズドンと胸に響くものがあり、そして哲学的で人間の本質的なテーマにまで切り込んでいる奥深さに読む時期によっていろいろな想い巡らすことができる、本当に面白い小説はこういう作品のことを言うのだと思う。

「あたしは、自分とおんなじ人たち、生きようとしても運悪く死んでしまう人たちのなかで、生きたいの。生きる意志を杖にして歩いていく人たちの流れの中にいて、そんな人たちのためだけに泣いたり笑ったりしたいの。だから、思い出になってまで生き続けるために、死をたぐり寄せる人たちと関わりたくないわ。そんな時間はないんですもの」



「なおる奴もいりゃ、死んでく奴もいたよ、私は、なんとか助けてやりたいと思った。ことに子供の患者はな。そうだろ? 子供なんてのは、人生の中で一番つまらないことをさせられるんだからな。私だって十七までに面白いことなんか何ひとつなかった。面白いのは大人になってからだ。ほんとに怒るのも、ほんとに笑うのも、大人にしかできないことだ。なぜなら、大人にならないと、ものごとは見えないからだ。小学生には、壁の棚の上に何がのっかってるかなんて見えないじゃないか。そうだろ?」
「そうですね」
「一センチのびていくごとにものが見えだして、風景のほんとの意味がわかってくるんだ。そうだろ?」
「そうです」
「なのに、なんで子供のうちに死ななくちゃならんのだ。つまらない勉強ばっかりさせられて、嘘っぱちの行儀や礼儀を教えられて。大人にならずに死ぬなんて、つまらないじゃないか。せめて恋人を抱いて、もうこのまま死んでもかまわないっていうような夜があって。天の一番高い所からこの世を見おろすような一夜があって。死ぬならそれからでいいじゃないか。そうだろ。違うかい?」



今夜、すべてのバーで (講談社文庫)今夜、すべてのバーで (講談社文庫)
(1994/03)
中島 らも

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  • 2008-10-09
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[C79] やまけんさん、はじめまして。

コメントありがとうございます!
この作品は重いんだか軽いんだかよく分かりませんが、もの凄く心に残って離れない作品です。
  • 2008-10-17
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Author:kngwayof
名前:わぁ
所在:名古屋
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20071111ブログ始めました。
(冷し中華ばりに)
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